建築は いのちのいとなみ から生まれてきます。
外から形を与えられるのではなく、内から形づくられて姿をあらわしていきます。
そうして生まれたものは、いとなみの中にあって、活き活きと息づいていることでしょう。
内から形づくられてゆくものは、そこに意志があるかのように、ふさわしい姿を見出してゆきます。
私の役割は、それをなるべくクリアな状態で受け取りながら、ありのままふさわしいありようを
自由に見つけ出して、形にしていくことです。様々な条件もそれを見出す手助けになります。
人の行為しようとする意志と、それに呼応する環境、場所、建物などが出逢った時から、その内側から
の形成力ははたらきはじめますが、実際にはそれは、その以前からも、又出来上がった以降も
はたらきつづけている大きな流れ-それも又いのちのいとなみ-なのだろうと感じます。
出来上がってくるものは、様々な関わりあいのありようを方向づけます。
そこで関わりあい、出遭うもの同士に新たな調和と新たな光をもたらすもの。
そして、そこでの行為と印象がこころの奥深くで体験されて、それがまた大きな流れの中に
注ぎ込まれていくようなもの、場。
そのような場を、使う人たち(建築主)、造る人たち(工務店・工芸家など)、と一緒に造りたいと希い、
日々新たに取り組んでいます。
森田建築設計事務所 森田 徹